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親なきあとを支える障害者手帳とは?取得のメリットや種類について

障害のある人が取得できる手帳を総称して障害者手帳と呼びます。
減免措置や助成制度などを受ける際など、障害者手帳はさまざまな場でその力を発揮してくれます。
手帳がない場合であっても医師の診断書等を提出すれば同様の割引を受けられる場合は多いですが、手間とお金がかかるため、可能であれば障害者手帳の取得をおすすめしています。

障害者手帳は取得したほうがいい?

中には、障害者手帳を取得することによって、受験や就職において不利になるのではないか、と心配される親御さんもいらっしゃいます。
実際には、必要のない時には手帳を見せなければいいので、手帳を持っているから不利になるといったことはないと思います。
手帳取得でデメリットになることがあるとすれば、親御さんやご本人に「障害手帳は嫌だ、持たせたくない/持ちたくない」といった気持ちがある場合、取得がストレスになってしまう、ということくらいではないでしょうか。

障害者手帳を取得するメリット

障害者手帳を持っていれば、企業に就職する際にも、障害者枠で一般就労しやすいという大きなメリットがあります。
JRや私鉄、バスといった公共交通機関の乗車料金の割引のほか、タクシー利用券やガソリン利用券等の支給、公営住宅の優遇抽選、おむつ支給などが受けられます。

デイサービスやヘルパー派遣などは、手帳がなくても申請できますが、手帳があると行政側が障害状態を判断しやすくなるといったメリットもあります。

障害の程度によって、障害者手帳を支給するかどうか、また支給時間素などを自治体が決定するので、手帳があったほうがスムーズにいろいろなサービスを受けることができます。
手帳の種類や度数によっては、税制面での優遇もあります。

また、医療の面でもメリットがあります。
身体障害者手帳または療育手帳(後述参照)の所持者で重度判定のかたは、所得によって医療費が1割負担、20歳になると本人の所得が対象のため無料になる、というパターンが多いです。

市区町村によっては、精神障害者保健福祉手帳1級の所持者や、療育手帳で中度判定の方が助成対象になるところもあります。

障害者手帳を持つことは、就労しやすく、出費も抑えられ、本人の生活の安定へとつながるのです。

障害者手帳の種類について

身体障害者には『身体障害者手帳』精神障害者には『精神障害者保健福祉手帳』という全国統一の手帳があるのに対して、知的障害者の手帳は、自治体独自の制度になっているため、共通の名称がありません。
一般的には『療育手帳』という名称が使われていることが多いですが、以下の自治体は違う名称の手帳になっています。

東京都・横浜市…愛の手帳
埼玉県…みどりの手帳
青森県・名古屋市…愛護手帳

等級の表記もそれぞれ違っていて、例えば川崎市と東京都はそれぞれ4つの等級に分かれていますが、川崎市の療育手帳は、A1(最重度)A2(重度)B1(中度)B2(軽度)となります。
東京都の愛の手帳は、同様の障害程度に対して1~4度という表記になります。
等級の分け方についても、4つのところもあれば、東北・北陸・中国地方などは2つに分かれている府県も多くあります。

判定の方法についても地域によって異なり、基準となるIQの設定が違う、IQが基準より上回っていても医師の診断結果によって交付する地域があるなど、まちまちです。

たとえば東京都のIQの基準は、最重度がIQ19以下、重度がIQ20~34、中度がIQ35~49,軽度がIQ50~70となっています。※実際の等級判定はほかの要素も含めて判定されます。

等級が2つの静岡県の場合は、重度はIQ35以下または50以下かつ身体障害者手帳1・2・3級保持者、軽度は重度に準じおおむね70以下(ほかの障害により社会適応能力が低いと認められる場合はおおむね79以下)、または80~89で発達障害の診断を受けた者、となっています。

ご自分のお子さんが持っている手帳で、実際にどういったサービスを受けられるかは、それぞれの手帳を発行している自治体にご確認ください。


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