心身に障害がある場合、一定の基準を満たした人には『障害基礎年金』という国民年金が支給されます。
これは障害者本人の生活を支えるための基盤となる収入で、受給できるか否かで、将来の生活プランが大きく変わってきます。
障害基礎年金の受給には下記3つの要件があります。
1.初めて診断を受けた日(初診日)が特定できること
2.規定以上の保険料納付実績があること
3.初診日から1年6ヶ月を経過した日(障害認定日)の状態が、障害認定基準に該当すること
※生まれつきの知的障害者で療育手帳を取得している場合は、20歳到達日の前日の障害状態が認定基準に該当すること
上記3の「障害状態の認定基準」ですが、これまで障害の程度を判断する場合には 「日常生活にどの程度支障があるのか」という視点により等級が決められていました。
知的障害の場合、それ以上の具体的な判断基準はなく、その結果地域によって障害基礎年金の支給率に大きなばらつきがあることが問題とされてきました。
そこで、2016年9月より等級判定のガイドラインの運用が始まりました。
このガイドラインは診断書の内容を数値化したものと、診断書と本人の申告から生活環境を考慮したものとで総合的に判断するという内容になっており、施工後3年を目処に、必要に応じて見直しを検討するとしています。
すでに障害基礎年金を受給している人については、障害の程度が変わらない場合いきなり年金の受給を打ち切ることはしないとされていて、一定の配慮をすることが決められています。
このガイドライン運用による判定の実態がどうなっていくのかは、今後注視していくものとなります。
障害基礎年金を申請する際、受給されるように認定されるためのポイントをお伝えします。
年金申請のための必要書類はいろいろありますが、特にポイントとなるのは以下2つとなります。
これは障害の現況などについて医師が記入するものとなります。
かかりつけ医がいる場合は本人をよく知ってくれているので、スムーズに診断書を作成してもらえるでしょう。
家族をはじめとした、障害者本人をよく知っている人が障害の状況について記入するものとなります。
障害がわかってから申立てのあいだに、いかに障害者本人がたいへんな状態か、こと細かに書くことにより読み手の障害者本人への理解を深めることができるものとなります。
これは医師の診断書だけでは伝えきれない、家族でしか知り得ないような本人の状態を記入することもできるため、受け手側の印象も変わってくるものとなります。
なるべくたくさんの情報を伝えられるように記載することをおすすめしています。
ただし、運用開始から数年経った現在、
「このガイドライン運用以前から障害の状態が変わっていないのに、支給停止になった」
「窓口でなかなか申請書を受け付けてもらえない」
といった話をよく耳にするようになってきました。
たとえば、以下のような質問をいただいたことがあります。
障害年金の申請のために役所に行ったところ、申請自体は受理されたのですが、子どもの病歴についてまとめた資料を添付したら「こんなものは判断に関係ない」と言われて受取拒否された、といったご相談でした。
すでに上記で説明しているとおり、申請時に提出する書類には、診断書の次にたいせつなものとして『病歴・就労状況等申立書』といったものがあります。
この書類について役所の窓口で別紙添付を拒否されたとのことですが、役所はあくまで書類を受け取るのが業務であり、受け取りを拒否する権限はありません。
しかし残念ながら、一部の役所では実際にこのようなことがおこなわれているのが現状のようです。
そうした場合にははっきりと「これもたいせつな資料なので受け取ってください」と伝えるか、担当責任者と話したい旨を伝えてください。
申請をできるだけ押し戻そうという考えの職員や、深く考えずに対応している職員にも中にはいるようですが、役所に書類の受け取りを拒否する権限はありません。
提出したいという希望をしっかりと伝えれば必ず受理される書類なので、意思をきちんと伝えましょう。
「自分の死後、子どもは問題なく生きていくことが出来るのか」
そんな多くの親が抱く『親なきあと』への不安も、障害がある子の家族にとってはひときわ大きなものとなります。
『親なきあと』への準備として、何に対し、どんな準備をおこなえばいいのかわからない。
私たち『親なきあと』相談室では、こうした漠然とした悩みを抱えている状況を打破するため、お悩みに対する具体的な課題を明確にするお手伝いをさせていただきます。
まずは下記フォームよりご連絡ください。
ご相談お待ちしております。